イシモチソウ Drosera pelata var. nipponica (モウセンゴケ科 モウセンゴケ属)



 イシモチソウは関東以西の本州・四国・九州・沖縄、朝鮮・中国に分布する多年草。湿原の周辺や湿った荒れ地などに生育し、湿原そのものには生育しない。粘土の多い土壌地であり、競合する草本が生育しにくい環境であり、必ずしも表水が存在する必要はなく、尾根筋の粘土の多い痩せ地や明るいマツ林中にも生育する。茎は高さ30cmになることもあるが、多くは20cm前後。葉には長い腺毛があり、小さな虫を粘液球でとらえ、消化・吸収する食虫植物である。初夏に直径1.5cm程の白い花を咲かせる。虫媒花でありながら、虫を食べてしまうことは矛盾しているが、食べる虫と訪花昆虫の種類が異なるのかもしれない。盛夏には休眠し、枯れてしまう。和名の由来は葉の腺毛に小石が引っ付くという意味。
イシモチソウイシモチソウの花
イシモチソウの葉(中央の葉には虫が捕まっている)イシモチソウの葉(裏面)
 図鑑などには「酸性の湿地に生育」などと書いてあることがある。泥炭の堆積した高層湿原は酸性であるが、鉱物質の土壌地に発達する湿地では酸性であることは少ない。イシモチソウの生育するような湿地も鉱物質土壌であり、pHは中性付近である。「湿地=酸性」という誤解は、そろそろ改めていただきたい。

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