クズ Pueraria lobata  (Willd.)Ohwi (マメ科 クズ属)



 クズは日本各地に分布し、東〜東南アジアに広く分布するツル植物。秋の七草の一つ。8月のおわり頃から9月にかけて房状の花を咲かせるが、花は葉群の下になって目立たない。せっかくの美しさが残念である。伐採跡地や放棄畑、道路端などに繁茂し、大群落を形成していることも多い。盛夏には1日で1m程も伸びると言われるほど成長し、太い茎を伸ばして繁茂する。林業的にはせっかく植栽した樹木に巻き付いてしまう害草でもある。一応多年生草本に分類されるが、長らく生きたものは木本といってもよいほど太くなる。根には大量のデンプンが貯蔵されており、これからクズ粉を採る。繁殖は種子からの発芽の他に、地上を伸びる茎の所々から根を出し、株を広げる。不用意に刈り取ると、所々に残った株から再生し、かえって個体数を増やしてしまうことがある。種子は短期間で発芽するものと長期間休眠して伐採などの森林破壊の際に発芽してくるタイプがある。
 クズはマメ科植物であるので痩せ地にも生育できる。牛馬を飼育していた時代は優秀な飼料であり、刈り取られて持ち帰られたり、ツルは薪の結束に用いられたりした。茎の繊維からは葛布も織られ、根からの葛粉の採取など、それなりに利用価値は高かった。現在では厄介者にしかなっていない。
葉の下に咲くクズクズの花、結構美しい
クズの葉(3枚の小葉からなる)クズの果実
日照が強いときには葉を裏返す畑跡地に広がるクズの群落
 クズは大量の葉を保持しており、水分を大量に消費するに違いない。夏の晴天時には、水分不足に陥るようで、葉をたたむように動かして直射日光を減少させている。中央の葉を右か左にねじり、両側の葉をたたみ込む。葉は白色の裏を日光に向ける状態になり、強すぎる光を反射させている。
 このような葉が強すぎる日照を防ぐ運動はさまざまな植物で見られるが、ネムノキメドハギクサネムなど、マメ科植物の葉の開閉能力と通じるものがある。
クズは帰化植物?−クズの戦略−】 / 【クズ粉の採り方】

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