エゴノキ Styrax japonica Sieb. et Zucc.  (エゴノキ科 エゴノキ属
 エゴノキは北海道・本州・四国・九州、琉球・朝鮮・中国に分布する落葉の小高木。比較的水分のある谷沿いなどで良く成長するが、芽生えや稚樹の生育範囲は広い。樹皮は平滑で赤褐色から黒褐色である。あまり特徴のない樹木であり、特に稚樹の段階では同定が困難であるが、葉の付け根の「冬芽」の形を覚えておくと役に立つ。
 近年は清楚な花のためか、庭木に使われることが多くなったが、生育に水分を必要とするので、植栽にはこの点に留意する必要がある。移殖によって幹枯れが発生することがある。
 植物体には有毒物質であるサポニンを含んでおり、その味が「えぐい」ので、エゴノキと名前がついたという。これを利用し、果実や根を水の中で叩き潰し、魚を麻痺させて採取する、魚毒に利用されたとの事である(この漁法は、現在では禁止されている)。種子は硬い殻に包まれている。これをお手玉の中に入れると良い音がする。
 根元から萌芽した幹はスラリと伸び上がる。材は粘り強いので、火であぶって曲げ、「背負い籠」や「輪かんじき」などに利用されていた。岡山県の県北では、「ちない」と呼んでいる。


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