アカマツ Pinus densiflora  (マツ科 マツ属)



 アカマツは北海道南部から屋久島まで広く分布し、二次林に広くみられる樹種である。痩せ地にも耐えて生育し、乾燥した尾根から湿地にも生育する。名前の由来は樹皮が赤いことに由来する。樹皮は根際の部分は厚く、亀甲状に割れ目がはいるが、1m位よりも上は薄く剥がれて赤い色となる。
 下の画像は神戸・六甲山のアカマツ林である。マツ枯れ病によってこのような見事なアカマツ林はごく少なくなってしまった。この見事なアカマツ林は明治以降の治産事業によって形成されたもので、薬剤散布が行われている。
神戸六甲山のアカマツ林アカマツの樹皮
アカマツ、芽には赤い鱗片があって赤褐色である
アカマツの雄花アカマツの芽生え

 アカマツは春に花を咲かせ、風によって花粉を散布する。季節には水たまりの表面が黄色くなるほどの花粉生産量であるが、マツの花粉で花粉症が起こることは少ないようで、あまり問題にはならないのかもしれない。種子も風によって散布される。基本的に昆虫が現在の昆虫のように活発に活動でき、受粉に貢献できるようになる以前に進化した古い植物であるので、動物に頼ることのない生殖・繁殖方式を踏襲しているのであろう。
 秋の晴天時にマツカサの鱗片が開き、種子が散布される。種子は光発芽の特性があり、光が当たる場所で発芽しやすい。生長にも強い光が必要であり、禿げ山のような林床にまで十分に日光が当たる場所で発芽・生長ができることになる。現在大きなマツが育っている場所も、そのマツが芽生えた時には禿げ山であったわけである。
 アカマツは人間が森林を伐採していない時代においては、岩峰や崖、湿原のほとり、河川の周辺などに生育地していたものと思われる。人間の活動によって急激に分布を拡大し、今、森林の放置とマツ枯れ病によって急激に個体数を減少させつつある植物である。

1.アカマツ 2.マツ枯れ 3.マツノマダラカミキリ 4.有用材アカマツ 5.アカマツの芽生え 6.アカマツの古里 7.タギョウショウ 8.アカマツの花

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