クロヘゴ Cyathea podophylla (ヘゴ科 ヘゴ属)
 沖縄島の山原(やんばる)の森、斜面中部のやや凹地になった場所にたくさんのヘゴの仲間が生育していた。高さは高いものでも1.5mほど。多くは1m前後であろう。葉の長さは1mから2mほど。クロヘゴは奄美大島以南の琉球、中国大陸南部、台湾からインドシナ、マレー半島などに分布する。
 昔、琉球大学出身の宮城君から歩く(移動する)植物として、このクロヘゴを紹介してもらった。記憶が確かであれば、石垣島の小高い山であったように思う。クロヘゴの茎を注意してみると、茎が横に這った後に立ち上がり、まるで肘を曲げたような形になっている。これについての説明が、移動するヘゴということなのであった。クロヘゴは林の中で生長して高くなるが、その際には葉が光を求めるので光の方向に少し傾く。やがて倒れてしまうことになるが、生長点は立ち上がり、倒れた茎の長さだけ光の方向に移動して、高さ生長を再開することになる。この結果、茎はL字型になる・・・・というわけである。台風の後などには、そのような姿を見ることができるのではないかと思う。沖縄の懐かしい植物の1つである。
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