ポトス Epipremnum eureum (サトイモ科)
ポトスはソロモン諸島原産の園芸植物。耐陰性も強く、強健なので観葉植物として広く栽培されている。淡黄色の斑が入るゴールデンポトスが一般的であるが、全体が均一に薄い緑色のライムなどの品種がある。
このポトスを育てはじめたのは、生物地球システム学科の新設を構想し始めたときであった。新学科のことをいろいろ考えている内に、新設されるであろう建物のロビーに緑が欲しいと思ったわけである。購入したのは小さな鉢で、これにヘゴの支柱を立てて周りに埋め込んだ。購入した時期が冬であったので、2ヶ月ほどはほとんど生長せず、もどかしい思いをした。気温が低い期間はほとんど生長しない。温暖な地域の植物であることがうなずける。
茎は枝分かれせず、どんどん伸びていく。中国のホテルで、数階をぶち抜いたホールの最上階から一階までポトスが伸びていたのを見たことがある。10m以上も垂れ下がっていたことになる。茎が伸びていって、葉の量もどんどん増える事になるが、根元の方の茎は太る様子はない。それどころか、茎は先端に至るほど太く、葉も大きくなる傾向がある。よほど茎の通導能力が高いのであろうか。ヘゴなどの根を張りやすい支柱に這わせてやると、途中から根を出して茎や葉が次第に大きくなる。
葉の寿命が長いのもポトスの特徴の1つである。5年間栽培していても、古い葉が枯れ落ちる気配はない。葉の寿命はすこぶる長いようである。葉は年月を経るごとに緑色の部分が多くなり、やがて全面が緑になってしまう。上の画像は古い葉と比較的新しい葉を示している。何年も経って、ようやく葉緑素の量が増えてくるのであろうか。
ポトスは耐陰性が高く、日照の不十分な室内でもよく耐える。日照不足の中で長期間育てたポトスを急激に明るい場所に出すと、葉が焼けてしまうことがある。その場合、斑入りの黄色い部分が損傷を受け、茶色に枯れてしまうので要注意である。
ポトスはツル植物にしては水を使わない植物であるように思う。水やりの回数も他の植物に比べて少なくても良い。気温が低い冬季には、水をやりすぎると根が傷んでしまうようで、やりすぎるよりは不足気味の方が、安全である。
気温が高く、空気中の湿度が高いときには葉の先端に露がたまることがある。多くの植物の葉の周辺や先端には水孔があり、余分な水を排出する。早朝に葉の周辺に露がたまっているのもこれである。上の画像はポトスの新葉の先端に露ができている状況である。十分な蒸散能力がない状態にもかかわらず、新葉へ水が供給され、先端の水孔から水が押し出されたたものである。
ポトスの葉柄には関節が2つある。1つは茎から枝分かれした葉柄の付け根の部分であり、もうひとつは葉身に近い部分である。葉を光が当たる方向に向けるためには、必要な数である。関節の動きは生長運動であり、細胞が大きくなることによって葉柄が曲がる。何度も鉢の向きを変えると、この部分が太くなって、色白になり、他の部分と区別が容易になる。
このような葉柄の関節は他の植物でもすべて備わっているはずであるが、ポトスやツタでは肉眼的に容易に関節の部分判別ができる。